エイミーは泣く

自分語りばかりがたたり CRYAMYのボーカルの日記兼雑記

5000回読まれた日記/青いカクテルで乾杯しようね

今回は記念の回です。

このクソブログの総計アクセス数が5ヶ月目にして5000を突破してしまいました。

 

もともとバンドも始まらず、かといって弾き語りにも飽きてきて(金もなくて)、「俺文章書くのが好きだし書いてみようかな〜あっはん!」ってな感じで開設。

 

よくあるバンドマンのブログというのは「この日ライブです!きてきて!なぜかってこの企画ゥ...」みたいな誰も興味がない企画への思い入れや意気込み語られたり、中身のない報告やつまらない内輪ネタが大半で、正直俺は「死ねばいいのに」と思っていました。

そういうわけで何を書こうかと思っていたら、友達のタケちゃんが「お前は普通の話が面白いから普通の話書けばいいよ」と言われ、普通のことを(お前らの普通かどうかは知らん)書いていたら、散々悩んだメンバー問題も大森さんの登場で解消され!

大森さんはじめとした赤塚やクソどもの尽力が身を結んだのか先日はレイさんというスーパー素敵な男子が力を貸してくれるに至った。

 

俺の私生活に限定すれば最近よく行ってたピンサロの店員と仲良くなったり、よく弾き語りのライブ来てくれてた子と目があうようになったり、ノルマがさばけるようになってきたり、もう、ウッハウハだ!!

みんなも日記書こうぜ!

 

まぁ冗談はさておき、こうして(特に何もないとはいえ)訪問して下さるだけでもすごく励みになって、頑張れております!

中にはメッセージくれたり、別に宣伝もしてないのにライブを見に来てくれたり、もうすごく嬉しいです、ありがとう。

 

メンバーもようやく揃って(いかに俺が苦労していたかは日記のバックナンバー参照)春先にはライブハウスにいきなり男前しかいないし音楽も女子は膣キュン不可避のバンドが現れるので、そこで会おうな。

 

ハァ真面目な話疲れる。

というわけでいつものふざけた日記始まりまーす!

 

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一定数、人は生きているうちに必ず他人の厄介になる。

些細なことから、時に人生を左右する時にいたるまで、必ず人の人生には他人が介在する。

 

俺はこれまでで恩人と呼べる人が、これまた数名いる。

 

大森さん赤塚レイさん、幼馴染のユキちゃん、かわぐやまさと、伊藤さん、おかみさん...。

まぁざっと見渡してこれぐらいかな?

このそうそうたるメンツに負けず劣らずな個性を発揮、もとい、荒らしまわっているのが、今のバイト先の店長。

 

高校一年生の時の俺は、眉毛の薄さと頭髪につけたヘアワックスの量、そして女に優しいことがカッコよさの必須条件と信じて疑っていない、身長が166センチほどの男だった。

当時聴いていたART-SCHOOLの「カノン」という歌詞の意味もよくわかってなかった、愛し愛されることとか普通だろ!みたいな(普通じゃねぇんだぞ?)。


Art-School - Kanon

 

「童貞は女にタメ口で話しかけられるとすぐ好きになるから死ねばいい」

高校三年生の店長はタバコを吸いながらこう言っていた。

 

煙の充満した個人下宿の一室で、そばで震える洗濯機の音を聞きながら、俺は「こいつ、天才だ」と思った。

 

クラスで浮いていた俺は、ちょっとワル目の輩とつるむという、少年漫画の主人公の相棒キャラが第1話で陥ってる状況みたいな感じになっていた、気持ちは主人公だったけど。

高校が同じで、やたらと俺を可愛がってくれていたその先輩は独自すぎる持論を展開し、俺はその話が好きだった。

「部活動やってる奴らは、尊敬してもいない年上に敬語使うだろ、あんなの、前頭葉死んどるからな、俺前頭葉がどこにあるのか知らないけど。わかる?」

というセリフをすごい納得させられたのも覚えてる。

前頭葉の位置は知ってた。

 

高校一年生俺はといえば、いつも先輩に愚痴っていた。

彼女に浮気された!女なんてクソ!でも恥ずかしいけどセックスはしてぇ!とか、クラスも友達も誰も俺のことわかってくんないモンね!いいもん俺一人で生きていくから!プンスカスカ!的な。

そんな俺に「女はすぐ別の男を好きになるんだから、期待してはいけない。真の愛情はいつか出会えるんだぞ」と言い、孤独を察してか、黄ばんだハイネの詩集と、帯のついていた比較的読み込まれていないボリスヴィアンの「泡沫の日々」という小説を貸してくれた。

先輩は小栗旬をもっと偏差値低そうな感じにした顔で、西洋文学の本を貸してもらった時はすごく驚いた。

 

夏休みに入ってある日先輩は連絡がつかなくなり、程なくして高校を辞めた。

嘘か本当か、噂ではチンピラを半殺しにしたらしく、強制退学だったらしい。

卒業アルバムに先輩の写真がなかったのが悲しかった。

ポテチ食った後、指の油を舐めるみたいに、先輩の話をめっきりしなくなって平然としていたパチンコ狂いのマイルドヤンキーの背中を見ると、なおのこと悲しくなって、近所のコンビニで目の前に光ってたファミレスの電灯を眺めながら泣いた。

彼女とも別れて、ボリスヴィアンの本はなくした。

クロエは死んだ。

 

その後は不登校気味になったり、人間不信になったり、好きすぎた女にフラれてやばすぎたり、散々な目にあった後、卒業した。

親は三年間何とか高校に出たのを喜んでた。

俺は糞食らえだ、と思って、ブレザーについた校章を引きちぎって、通学路に捨てた。

指先をその時に切って血がたれて、油を舐めるみたいに舐めたと思う。

 

予備校に一年間通って、その時間もむなしく大学受験に失敗し、東京に行くことを決意して、親にも妹にも何の事情も説明せず、ただ「進学だよ」と吐き捨てて東京に出てきた。

俺は不思議と元々の頭が良かったので、受験に失敗したとはいえ、東京に出ることは造作もなかったので、そこは良かったと思う。

どこまでも自分にも他人にも無責任だった俺は、そのタイミングで奇妙にも先輩と再会した。

 

「おうカワタ、お前東京来とるんか」

知り合いを介して再会した俺たちは意外とすんなりと5年ぶりの再会を受け入れていた。

今は東京新宿で自分のバーを開いている、人手足りないから時給1200yenで死ぬほど酒を飲んでクソ女やおっさんの愚痴聞く仕事しない?という案件だった。

「また先輩の面白い話聞かせてよ」

俺は二つ返事で働くことが決定した。

 

店にはいろんな人が来たし、深夜は店長と俺、あとはお客さんとしゃべることが多かったんだけど、すごく刺激的な時間だった。

俺は自分が大したことない人間だということは自覚してたんだけど、こういう人たちにも響くものじゃないと有象無象なんだな、と思って、凡人であることを嘆くんじゃなくて、自分の才能を見いだしてそれを研ぎ澄ます大切さ、のようなものを漠然と学んでいった気がする。

酒は弱いままで、時に勤務中に泥酔してしまうこともあったけど、それでも楽しかった。

 

ある時深夜に客がこなくて、俺と店長は二人で飲んでた。

珍しく店長がお酒を作ってくれた。

青いカクテルに、二酸化炭素の気泡が浮かんでは消えるのを眺めながら、俺たちは身の上話をしていた。

俺はきっと報われると思っていた夢が打ち砕かれて、それでもなんとか生きていこう、と東京に出てきたような状況だったし、先輩は先輩で店長になるまでの間にいろんなことをしていて、お互いにいろいろあったな、俺たちガキだったよ、なんて笑いながら話していた。

 

「なぁ蓮太郎、俺たちは、人に悔やまれて死のうな」

俺は簡単に生き死にの話をするやつや、すぐに死ぬだのなんだの軽々しい奴らが大嫌いだったんだけど、この二人の間には、そんな軽々しさはなかったと思う。

俺らは軽く生きてないもん、な?って。

涙は出てないけど、俺は、昔ファミレスを眺めながら流した涙のことを思って、切なかった。

 

ヴォリスビアンの小説では、どうにもだらしのない男が、愛する人のためにすべてをなげうって、それでも何もできなくて、愛だけを確かめ合って、狂ってしまうという物語。

 

生きるだの死ぬだの、そんな話はよしてもっと気楽になれたらいいし、愛だのなんだのたしかめ合わなくても、ずっと君と一緒にいれたらいいのに、なんて思ってしまう。

 

「俺ね、乳首の色がきれいで、化粧が濃い女が好き!ギャルよくね?」なんていつまでも俺は、俺たちは二人で話していたかったんだ。

 

確かめ合う愛なんてクソだよ。

 

愛は愛してよなんて言わんのだからな。