エイミーは泣く

自分語りばかりがたたり CRYAMYのボーカルの日記兼雑記

昔の話/2014年夜景に唾を吐いて星に毒づいた

高校生の時、俺は身も蓋もない話で、とにかくセックスがしたかった。

 

彼女が欲しいとかそういうのではなかったように思う。

昔から好きな人にほど素直に好意を伝えるのが苦手だったし、好きな人はみんな自分から離れていくものだったから、いっそ嫌いになってしまいたいとさえ思うほどに当時はこじれにこじれていた、ART-SCHOOLsyrup16gばかり聴いていた。

 

付き合っていた彼女に浮気されて、俺が怒って、最後の思い出とか言って地元の海に行って、別れて、もうそこらへんから女の人がどうにも汚く思えるようになり、俺も俺で汚いやつだった。

女なんか!とか思うようになり、クラスの子(は正直可愛くなかった、みんな魚介類みたいな顔してた)だけじゃ飽き足らず他校の女にまで手を伸ばして、付き合うより突きあいてぇ!とか最低なジョークを垂れ、ジョークはジョークじゃ済ませず、猿のようにwaiting for その他、何?っつって相変わらずの嘘吐きだった。

自分に正直なのは人を傷つけることと何も変わりはしないのに。

 

手短に退廃、人生の投げ売り、純情の放棄、そんな俺にも女の子で気が許せる子が一人だけいた。

高校の登下校中、よく一緒になっていて、クラスも学科も違うのに仲良くなった女の子がいた。

可愛らしい顔をしていて、そのくせ俺に勧めてきた漫画は「AKIRA」と「ヘルタースケルター」だったのでひねくれてるというかニッチというか、ね。

他愛のない話をしながら登下校の道を二人で歩いていた時期があった。

「彼氏がさ〜」なんて愚痴もよく聞いていたし、あわよくばやりてぇなぁとか最低なことを思ったりしていた。

借りたAKIRAを読み進め、たまに会うたびに返して、逆に俺は自分の持っていた「帯をギュッとね!」や「ベルセルク」をかしていた。

 

夏が終わって俺は学校に行かなくなって、そのことも会うことがなくなってしまった。

いつからかそのこと帰るのが楽しくなってたんだけど、あれは恋だったのかね〜わかんないね〜恋ダンス踊ってたら恋だろうけどあいにく俺はその時星野源も知らなけりゃサケロックも知らないし。

 

日課であった当時の彼女の家から近所の駅前のコンビニでウォッカの瓶を買ってコカコーラで割って飲む、というのを始めつつあった俺は未だにウォッカが「なんか女が飲む酒みたいでやーだなぁー」とか思いつつも未だに嫌なことがあるとコンビニでウォッカを買って飲んで泣いてるし人間って変わらないから人間なのかな、でも変わらないと生きてけないんだよ、だってこの間近所に住んでたお兄ちゃんはもう就職したって聞いたよ。

そんなウォッカを買って、駅前で足を投げ出して座り込み、薄く染めた短髪をかきむしりながら「サラリーマン全員死ね!」と思いつつ飲んでたら、なんとその子が歩いてんのね。

 

おっさんと腕組みながら。

 

「ハァ?」っつって加藤純一でも出さないような情けねぇ声が出た、絢辻さんにもフラれてないし、ポケモン対戦だって負けてない。

女の子と目があった気がした。

駅前は田舎のくせにピカピカ光ってて、「夏服大セール中!」みたいなデカデカとした文字が大画面の液晶に灯されて、にわかに見せつけてきた、その子を、顔を。

目があって、見つめあって、でもなんだその腕は?は?とか聞けんかった。

「これよくない?」ってちょっと方言のきつい女の子が、俺に見せてくれたピンクベージュの口紅は今塗られてたような気がして、いや、気がしただけなんだけど、買ったばかりで多分インスタグラムとかやってなかったし、多分俺に初めて見せてくれたその口紅は、なんかおっさんにやっちゃうの?え?ってそれすらも惨めですよわかりますか?

 

結局その子は売春をしていたのだ。

だらしない彼氏、夜まで帰らない母親、いなくなった父親、馴染めないクラスメイト、そして漫画だけ貸してくれる登下校中のお供が、彼女と世間とのズレを埋めきれずにここまでやらせてたんすかね?わかんないっすけども、ね。

春を売ると書いて売春、札束を綺麗で買って売春。

俺はあんなに仲が良かったその子が気持ち悪くて気持ち悪くて、流れる川の上に架かる橋の上でゲロゲロッピーしちゃって、ウォッカだって全部吐いちゃったし!その晩チンコ立たなかったし!

 

「女なんて最低だ!」ってバカみたいな俺も、軽い気持ちで自分を切り売りしたあの子も、全部汚い夜の、窓から出た漏れた光の夜景の一部だったんだろうけど、汚いなあ、汚いのは誰のせいですか?人のせいっすよ、そうじゃんよ、な。

 

誰に怒っても変わらないんだろうし、誰かが助けてくれたわけでもなかったんだろうけど俺は許せなかった、何が許せないのかはわからんけど、俺が苦しんだことも、俺の友達がそういうことをしてたことも。

 

先日、その女の子から久しぶりに連絡が来た。

今は大学生をしているらしい。

大学に入れるような頭ではないと思ってたので笑ったが、中部四国近くに住んでいるみたいだったのでライブに誘った、俺が有名になったら、きてよ、っつって。

 

どこにいてもいいけど、頼むから俺の大事なものだけは幸せでいてほしい。

 

俺が嫌いな奴はまだヘラヘラしてんだからよ。

 

バカがよ。