エイミーは泣く

自分語りばかりがたたり CRYAMYのボーカルの日記兼雑記

昔の話/人に嫌われる俺は使い捨ての人間のようだ

絶賛喉をぶっ壊し中。

スーパー沈黙療法ニキ。

もともとハスキーボイスだしシャウト気味な歌い方のせいもあるけど、こりゃヤベェと思って知り合いのボイストレーナーに相談。

「スタジオの前に寝るな、ちゃんと準備運動と発声練習をしろ、本腰入れて歌う前にキーの程よい曲を歌え」と当たり前のアドバイスをされたのだけれど当たり前のことができてなかった、俺は。

スタジオの前とか超寝るし、準備運動なんかせずにシャウト、シャウト、シャウト!

ちゃんと考えよう、と思いました!丸!

 

人に嫌われるのは慣れてるんだけど、そういう自分を肯定してしまうのはしんどいことだしムカつくんだ、ってのが最近わかったこと。

なんでイライラするのか、しちゃうのか、なんて考えてもわかんなくて、ふとした時に気づくもんだよねー。

 

上京してからやっていたスーパーの夜勤業務のバイトで、いつも俺と同じシフトに組み込まれていた、内村さんというハゲたおっさんがいた。

 

俺は上京当時は精神汚染が今よりも酷かった。

泥酔して自宅マンションの前で倒れて寝たり、家賃が払えなくて物を売ったり、とっくに辞めた大学もギリギリ通ってたんだけど授業に出たことはほとんどなく、サークルの先輩数人に手を出して白い目で見られていた。

「おう、俺のことを理解してくれるやつなんていないよなぁ!?」が口癖だったような、昔からだけど。

 

昔からどうにも人に「わかってもらう」才能がなく、かといって無理にひょうきんに明るく振る舞ったせいで心をぶっ壊したこともあったので、「うーんわかんね!」ってなってたもんだし、おまけに東京出てきても状況は好転せずあっという間に一年が経ってしまったから、悔しさ悲しさ理不尽さの綯交ぜだった。

 

そんな俺は日々を生きるために金が欲しかった。

そこで選んだバイトを点々とし、当時はスーパーの深夜業務に当たっていたのであった。

 

内村さんは俺のことが最初気に食わなかったのか、すごく口論をした。

俺の細かいアラを指摘しては怒鳴りつける内村さんと、それに対して口汚ない暴言を吐く俺。

年齢差は実に20は離れてたと思うけど、お互いに罵倒しあいながら朝まで仕事をして、でもなぜか終わった後には朝マックを食べに行ってた、二人で。

 

ある時いつものように内村さんと喧嘩をしている時、「お前、なんでそんなに髪が長いんだ!前が見えんだろう!」みたいなことを言われた。

俺はその時、木下理樹の呪縛?から逃れられてなかったのでマッシュルームカットで、前髪は目を覆って鼻のあたりまで伸びていた。

「うるさいなぁ、関係ないでしょ!」なんて言いながら、牛乳のたくさん入った箱を運んでたんだけど、「危ないから貸しなさい」とかわりに持ってくれた。

その時から、俺はなんとなく彼と世間話をするようになっていった。

 

東京生活が辛いこと、バンドがうまくいかず、弾き語りでもダメ出しばかりだということ、高校時代にあった嫌なこと、悲しい出来事。

内村さんは意外と聞上手で、でもアドバイスのようなことも言ってくれて、そのアドバイスも押しつけがましいものじゃなかった。

 

「俺は真実の愛が欲しい!」って俺、よく言うし、その度に大森さんとかにバカにされるんだけど、あれは実は内村さんのセリフ。

俺が若干投げやりな感じに女の人とくっついたり離れたりをしていたもんだから、内村さんが「そんなに自分を切り売りしなくたって、いつか本当にお前を愛してくれる人が見つけてくれるよ」って言ってくれたのが未だに嬉しいことの一つ。

 

嬉しかったし反省して、俺はそれ以来女の子と適当に遊んだりするのはやめたり止められなかったり。

でも人は傷つけてないんじゃないかな。

 

今にして思えば俺は内村さんがなんでいい年こいて深夜のスーパーでバイトをしているのか、出身や家族のこと、好きなお酒、何も知らなかった。

案外、知らないで済むことなんて聞かずに終わって、それで後悔して、の繰り返しなのかもなぁ、と今にして思う。

 

内村さんが俺を励ましてくれたのはなんでなのかはよくわかってないけど、きっとそれは人の一番綺麗な性質というか、無意識のうちに人に優しくしてしまうというか、そういうところなのかなぁとか、そういうことを思ったりもした。

俺にはない部分だから羨ましいとも思ったし。

 

俺はよく自分が周りに受け入れてもらえなくて、悲しい、って悲嘆に暮れてるけど、それだっていいじゃない、俺の優しさが使い捨てだっていいじゃないか、って、そんなことを教えてくれたんじゃないかと。

 

教えてもらったっていうか、俺の解釈だけど。

 

内村さんは数ヶ月一緒に働いた後、バイトを辞めてしまった。

「あいつはメジャーアーティストになれるよ」と言っていたらしい。

彼に貸した中原中也の詩集を借りパクされたし、それ以上になんだか寂しかった。

 

今日、バイト先でバイト仲間内で俺の陰口が叩かれてたのを知ってしまった。

一人だけ仲のいいバイト仲間の女の子がいるんだけど、心配して声をかけてくれた。

ありがたいのはありがたいんだけど、俺はもうあの頃みたいに悲嘆にはくれてないから、その子のおっぱいばかり見てた。

 

でもなんとなく内村さんを思い出した。

高校時代、誰にも守られることもなくすり潰された俺の尊厳とか、誰にも理解できずに「頭がおかしい」で片付けられた個性とか、その他もろもろ、あの日の何か。

そういうどろっとした何かを正当化できるようになれたのは、きっとあの短い交流のおかげだったんじゃないかなぁと。

 

そんなことよりライブがしてぇ!